婚約者の王太子から処刑を言い渡された令嬢・ジル。その死の間際に、婚約が決まった当時10歳のパーティーまで時が巻き戻る!破滅ルートを回避するべくとっさに後ろにいた人に求婚するが、相手は最大の敵、隣国の闇落ち(予定)皇帝・ハディスだった――。「あなたを必ず更生――いえ、しあわせにいたします」 『悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました』のコミカライズタッグが再び贈る、戦場を駆けた令嬢の人生やり直し物語!
やり直し令嬢は竜帝陛下を攻略中
の感想
物語冒頭から婚約者の殺されるシーンから始まっていきなりクライマックスです。目を覚ますと元婚約者と出会う直前まで時間が戻っており、そこからヒロインは最悪な結末を回避するべく行動を始めます。
元婚約者と早速、パーティで遭遇してしまいますが勢いで後ろにいる人物に結婚を申し込むと相手が竜帝だったり、その竜帝に気に入られてさらわれたりとなかなかの速度感で話が進みます。
基本ベースはコメディーになっており、ヒロインは脳筋、竜帝は料理好きの虚弱なのですがこの二人の掛け合いが読んでいて楽しいです。竜帝の傍にいつもいる竜神ラーヴェがツッコミ役になっており一番の苦労人だったりします。
ありそうでなかった2人と1匹の掛け合いが気に入ればお気に入りのマンガになること間違いなしです。
物語は世界観を理解しながら徐々に「なぜ竜帝が幼女を結婚相手に選んだのか」、「そもそも竜帝ってなに?」といった事が判明していきます。
様々な問題が立ちふさがりますが基本的にヒロインの筋肉で解決していく様がカッコよく痛快になっています。
始めこそお互いを利用しようとしていた二人ですが、だんだん惹かれ合っていく姿も必見です。
ヒロインがヒーローを守るマンガです!
このマンガの魅力
絵の魅力
- 少し女性向けの絵だけど男性も楽しめる
- ラーヴェのデフォルメチックな絵が可愛い
- 食い意地と脳筋なヒロインの表現が上手い
- アクションシーンが多めだが迫力に欠ける
男性の描き方が女性向けなのですが、女の子は可愛くて男性も楽しめると思います。コメディシーンが多くその場のノリを表現するのが上手いためつい吹き出すシーンも多くなっています。
基本はヒロインが前線に出て戦うマンガですのでヒロインの戦闘シーンが多くあります。ヒロインの動きはよく表現されていますが迫力に欠けるシーンがあるのが残念です。とはいえマンガのメインはヒロインと竜帝のあり方ですし、バトル漫画ではないのでマイナスと感じることはありませんでした。
困難に立ち向かうヒロインの背中が大きく見えます
ストーリーの魅力
- コメディ要素が高く笑えるシーンが多い
- 過去の女神の話が関わるので少し複雑
3巻まではなぜ竜帝が一歩引いてヒロインと接しているのかなど竜帝にまつわる話が徐々に明らかになっていき、一旦の解決を迎えます。そこまでスムーズに話が進んで行きますが4巻からヒロイン達は別の地域で活動をし始めます。
新たな新天地なのでしょうがないかもしれませんが若干退屈気味になってしまうのが残念です。
今後色々とキャラクターの出現もあるようなので情報過多にならないか心配なところです。原作を読んでいないので今後の展開はわかりませんが3巻で終わっていても個人的にはキレイに終われた気がします。
この先も読み続けるつもりなので5巻からどのような話になっていくのか楽しみにしたいと思います。
魔力は筋力ですは秀悦
竜帝と部下を養うため頑張れヒロイン
キャラクターの魅力
- 明るい性格のキャラが多いので読んでいて陰鬱にならない
- 前向きで脳筋のヒロインは見ていて爽快
メインとなるヒロインと竜帝のキャラクターが非常に良いです。本気を出せば凄いらしいんですが竜帝はポンコツというイメージしかありません。本気になったら危険なのでそうならないようにヒロインが上手く話を進めているところがありますが、そのヒロインも基本脳筋なので周りを唖然とさせます。
ヒロイン×竜帝×神竜ラーヴェの2人と1匹がメインストリームになっており、そのキャラクターがこのマンガの全てと言っても良いかもしれません。
ヒロインと竜帝を応援するラーヴェが良き
こんな人にオススメ
力で解決
頼りになるヒロイン
ペット枠がいいヤツ
異世界転生や異世界転移ではなく、現地人の話ですのでゲームシステム的な要素はありません。その世界の神話に基づくファンタジーになっているのでゲーム要素が苦手な人には読みやすいマンガになると思います。特殊な能力や実績を認められて見返すようなスッキリ系ではありません。
タイトルの通り令嬢であるヒロインが竜帝を攻略することが主体になっているマンガです。そのため基本はラブコメになります。序盤から早々に竜帝を攻略できちゃってる気がしなくもないですが、なかなか認めようとしなかったりする二人の心情を楽しめると思います。逆に恋愛要素に興味がなくて冒険のみを求めている人には向かないマンガだと思います。
最後に一言
ヒロインがヒーローを守るマンガ!
脅威が迫るとヒロインが立ち向かうマンガです。「魔力は筋力」と作中で言っている通り脳筋のヒロインが敵に立ち向かう背中が頼もしく思えます。
この記事を書いている段階で4巻まで発行されています。1〜3巻までで一旦の区切りとなっているため、お試しに読んで見るときはまずは3巻まで読むことをオススメします!